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東京から姿を消してしまった山車が、今、川越の町で、江戸の祭礼様式を引き継ぐ貴重な祭りの主役として、人々の目を楽しませ、活躍しています。
漆に加え 箔や金具が用いられる 川越の山車
[ 川越の山車と会所 ]
[ 川越 山車とまつり人 ]
[ 連雀町 道灌の山車 ]
およそ、7メートルほどの、山車(だし)の上層から、川越の町並みを見下ろす御神像(ごしんぞう)。連雀町が誇るシンボルは、川越城に縁の深い太田道灌(おおたどうかん)。人形は、狩りをする装束をまといました。
山車は一気に 登りの勾配を持つ会所へ 押し上げられました
[ 脇田町 家康の山車 ]
山車(だし)の最上部には、仙波東照宮(せんばとうしょうぐう)にちなむところから、式服に身を包む、家康(いえやす)の人形が御神像(ごしんぞう)として祀られました。
祭り囃子に合わせ 観客をあおるひょっとこの面
[ 幸町 翁の山車 ]
鉾(ほこ)の上の人形は、熱気にあふれ、身動きのままならぬ町を見渡すと、もみ合う人の波を案じます。
装束は、直衣(のうし)に烏帽子(えぼし)を冠り、胸には翁(おきな)の面が下げられました。
粋なバチさばき 囃子手は揃いの着流し 艶な女子
[ 幸町 小狐丸の山車 ]
赤いベレー帽の丸ポスト、小狐丸(こぎつねまる)を祀った華麗な山車のシルエット、そしてレトロな銀行の佇まい。りそな銀行前の広場には、川越の祭りならではの、貴重な光景が広がります。
幸町 小狐丸の山車 後方には埼玉りそな銀行川越支店
[ 川越市 猩猩の山車 ]
川越市の山車は、猩猩(しょうじょう)と名付けられています。
市内に籍を置く、丸広百貨店より、市制八十周年を記念して、平成14(2002)年に、市へと寄贈されました。
小江戸の文字の枠色は 猩猩をイメージする赤で縁取られます
[ 六軒町 三番叟の山車 ]
六軒町の山車は、三番叟(さんばそう)と名付けられています。
町の歴史は古く、城下町が栄えた頃にはすでに存在し、当時定められた十ヵ町以外にて、始めて山車を保有した町としても知られます。
三番叟の人形と 猿田彦「川越まつり 神幸祭」にて
[ 今成 鈿女の山車 ]
天鈿女命(あめのうずめのみこと)は、日本神話に登場する女神として、広く知られています。
岩戸を開き、天照大神(あまてらすおおみかみ)を導くエピソードは、どなたも一度は耳にしたり、書物をひもといたことがあるのではないでしょうか。
古くは里神楽(さとかぐら)、また、能(のう)や狂言(きょうげん)にても題材とされ、
天鈿女命は別称、「おたふく」「おかめ」とも呼ばれます。
踊りは白装束の天狐 巫女の一行は「川越まつり初日 神幸祭」
[ 元町一丁目 牛若丸の山車 ]
竜笛(りゅうてき)を手に、 牛若丸(うしわかまる)は、鉾(ほこ)の上より町を見渡すと、溢れかえる人の波を案じます。
日本昔話のひとつ、牛若丸が弁慶(べんけい)を諭すエピソードは、あまりに有名な、五条大橋の物語として知られます。
牛若丸に題材を求めた、元町(もとまち)一丁目の山車は、鉾の上の人形や、腰回りの彫刻に、様々な装飾を施しました。
御霊の入る彦神の神輿 「川越まつり初日 神幸祭」氷川神社にて
[ 元町二丁目 山王の山車 ]
鉾(ほこ)の上の人形は、烏帽子(えぼし)をかぶる山王(さんのう)の立ち姿。金幣(きんぺい)を風になびかせては、凛としたまなざしを向け、町の賑わいを見渡します。
人形は予期せぬ障害物から電工等により守られます
山王は、日吉大社(ひよしたいしゃ)に祀られる神さまです。
山王さん(さんのんさん)の愛称で親しまれ、つかわしめはお猿さん。ちなみに、お稲荷さん(おいなりさん)のお使いは、皆さまもご存知の狐さんです。
鉾の上に目を凝らせば、人形の胸には、猿の面が下げられました。
山王の山車は 十ヵ町の時代に旧鍛冶町で建造されたもの
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