[ 山崎家住宅/亀屋本店 菓子店 ]
上段の四方幕(しほうまく)に西日を浴びた、脇田町(わきたまち)「家康の山車(いえやすのだし)」は、山車の最上部に挙げた御神像(ごしんぞう)を揺らしながら、写真右手の山崎家住宅(やまざきけじゅうたく)に影を落とすと、ゆっくりと曳き手(ひきて)に行方をゆだね、一番街通りを南へ向けて車輪を軋ませます。
大人たちに混ざり、曳き綱(ひきづな)をまかされた子供衆(こどもしゅう)の瞳は大きく見開かれ、小さな手にあまる綱をそれでもしっかり握りしめ、山車の運行をつかさどる最高責任者、宰領(さいりょう)が掲げる手の先の拍子木(ひょうしぎ)に注がれます。
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