[ 山崎家住宅/亀屋本店 菓子店 ]
出桁造り(だしげたづくり)や軒蛇腹(のきじゃばら)によって、庇(ひさし)は深く導かれ、蔵(くら)は雨風から黒漆喰(くろしっくい)の壁面を守ります。
また蔵は、一階庇の上に防火用の設備、閉じられた扉に生じる目地に、土を塗り込み埋めるための、目塗り台(めぬりだい)を設けます。
秋の空は高く、蔵の町のあちこちでは囃子(はやし)の音が木霊して、きっとどこかの四つ辻で、片肌(かたはだ)を脱ぐ若衆(わかしゅ)が集まり、勢いにまかせて曳っかわせ(ひっかわせ)をしているに違いありません。
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