[ 幸町 小狐丸の山車 ]
囃子は、堤崎(つつみざき)の流れを汲んで、選り抜きの連中がここ一番、なじみの曲をはやしては、祭りを盛り上げます。
粋な吉原かぶりに揃いの着物。人々は、軽妙な調子の囃子にあおられて、山車の周りから手拍子で合わせます。
大太鼓(おおだいこ)は、限られたスペースを有効にと、柱の外側に括りつけられてしまいます。
別名「大カン」とも、たまに打てば良いから「タマ」とも呼ばれ。まったくもって、不名誉きわまりません。
[ 小狐丸の山車に うら若き乙女が ]
軽快なバチさばきの艶囃子 ここぞと祭りをあおる吉原かぶり
前列で、座る二人が操る、締付太鼓(しめつけだいこ)は「ツケ」とも呼ばれ、おのおの調子に高低の差を割りふられ、軽快なテンポを、矢継ぎ早に繰り出します。
一方、囃子台の奥で、「トンビ」と呼ばれる篠笛が、皆をまとめるように引き連れて、素知らぬそぶりで曲をあずかる、陰の立役者。
[ 狭い囃子台 欄間の外へ立つ鉦 ]
囃子台から押し出されんばかりの鉦
それぞれの、奏でる音のすき間を見つけては、強弱たくみな調子で、鉦(かね)が仲間を助けます。
無くてはならぬ存在で、四人を助けるところから「ヨスケ」とも呼ばれます。
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