[塩野家住宅/あとひき煎餅 塩野]
蔵(くら)の二階には、ミニギャラリーが併設されており、私が訪れたときには、紬の生地が展示される、貴重な企画が催されていました。
ほのぐらい天井を見上げると、不思議な形をしたむき出しの梁(はり)や、屋根を支える、名も知らぬ部材が複雑に絡み合う、味わいの深い空間が広げられていたのです。
目を凝らすと、ある一角に、棟札(むねふだ)と呼ばれる、当時の建造にまつわる記録が記された板があり、無造作に打ち付けられていたのです。
つたない読解力で、文字をたどればそこに、四代目「梶田清左衛門」との名をたどることができました。
屋根を支えるいくつもの部材が複雑に絡み合う空間
それともうひとつ、記憶に違いがなければ、部材の一部には、他の蔵では見られぬ、竹が用いられているとのことでした。
こちらの蔵を、撮影させていただいてから、もう何年もの月日が流れた今、重い腰をようやくあげて、記事をしたためさせていただいているのです。
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