[ 山崎家住宅/亀屋本店 菓子店 ]
七月の晴天日の午後、太陽が西へ軌跡をたどる頃、通りの東に面する山崎家住宅(やまざきけじゅうたく)の足下にも、向き合う建物から伸びる影が届き始めます。
暑くて長い午後の陽射しのもと、あとわずかの時を凌げば、真夏日の太陽に灼かれた瓦(かわら)も店先の陳列棚も、屋根に高く上げられた棟(むね)の先端を残して、やがては大きな影にスッポリ覆われてしまいます。
旧川越藩(かわごえはん)御用達、天明三年創業を誇る和菓子の老舗、「亀屋(かめや)本店」は、初代 山崎嘉七により店が構えられました。
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