[ 小山家住宅/蔵造り資料館 市指定有形文化財 ]
蔵の南面にも、観音開き扉(かんのんびらきとびら)が設けられていました。
年月を経て、蔵の外装の塗りにわずかにですが、痛みが見え始めてはいるものの、黒漆喰(くろしっくい)の見せる静かな趣からは、慌ただしく暮らす多くの人々の心は、忘れかけていた大切な落ち着きを取り戻すのです。
また、近代化の波が押し寄せると、蔵造りなどによって形成されていた、大切な町並みの景観にも、破壊の脅威が重くのしかかり始めます。
保存に向けての市民の運動が、昭和46(1971)年、旧小山家住宅(こやまけじゅうたく)の取り壊し反対の声をきっかけに、川越でもようやく、文化遺産の保存が見直されるのです。
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